2014年3月20日木曜日

縄文の美意識

ミス・ユニバースの日本代表が決まったそうで、現代の美意識を象徴したお姿につい見入ってしまいました。

一方で、2000年に長野県茅野市で発掘された土偶が新たに国宝に指定されるというニュースもありました。

「仮面の美女」とか「仮面のヴィーナス」とも言われるこの土偶は、4000年ほど前の縄文時代の女性をかたどったもので、顔には仮面をつけ、全身には刺青があるようです。

ミス・ユニバースも「仮面のヴィーナス」も、若い女性をかたどったものですが、この違いはなんでしょう。
縄文の美意識と比較してみましょう。↓

ミス・ユニバース日本大会 写真特集
http://www.jiji.com/jc/d4?p=msu214&d=d4_contest

(茅野市 縄文のビーナスと仮面の女神)
http://www.city.chino.lg.jp/www/contents/1000001480000/

これらの土偶を見ていると、現代人の美意識に疑問がわいてきます。
これを作った人たちがどんな思いで世の中を見ていたのか、想像するには時間がかかりますが、アートとして見ても土偶にはとても奥深い魅力を感じます。

たかだか2000年くらい前にこの辺りに住んでいた人たちの美意識と現代の美意識には、かなりの隔たりがありますが、どこか現代の文化に通じるものがあるはずです。
彼らの遺伝子がいくらかでも私の血に流れているのなら、土偶を作った人の感覚も、いつかわかるかもしれないと思って眺めています。


(日野 孝次朗)

2014年3月19日水曜日

400年前の仮装パーティー

 金沢のある大学では、卒業生が仮装して卒業式に参加するのが恒例だということでニュースになっていました。

 仮装の卒業式とはなかなか斬新だと思うのですが、戦国大名が仮装パーティーで盛り上がっていたという記述が絵本太閤記という書物にあります。
 朝鮮の役が行われていた頃、肥前名護屋城で待機していた秀吉が暇つぶしに思いついたそうです。

 加賀80万石の大名だった前田利家は仏具を担いだ高野聖(各地を渡り歩く僧侶)に、会津で92万石の蒲生氏郷は茶を売る商人に、有馬則頼は有馬温泉の旅館の主人に、当の秀吉は菅笠に腰蓑をつけて瓜を売る商売人に扮して練り歩いたそうです。

 地味な性格の徳川家康はザルを売る商人に化けたそうで、内心どんな気分だったか想像すると胸が痛みます。

 絵本太閤記は江戸時代中期の作なので信憑性は少し欠けるのですが、当時の名だたる武将達がコスプレで騒いでいたという話は、ぜひ事実であって欲しいと思います。


(日野 孝次朗)

2014年3月12日水曜日

鮭はサーモンより優良!?

最近の私はテンカラ釣りなどでニジマスを釣る事があります。
小さいものは白身で淡白ですが、大型のニジマス類の中にはピンク色の脂ののった
タイプもいます。
 
はじめて食べたときには、そのうまさに驚きました。
スーパーで売っている鮭の切り身よりもおいしいと感じました。

が、この味はどこかで食べたような・・・。
そう、それは回転寿司の「サーモン」なのでした。

スーパーなどで「サーモン」として売られているのは、ノルウェーやチリなどで養殖されたサーモントラウトがほとんどだということを私は知りませんでした。
でも、これはこれでおいしいのです。

昨年末に消費者庁が作成した「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について(案)」の中では、このような表示方法は景品表示法(優良誤認表示)に違反するとあります。

確かに私は勘違いをしていたので、優良誤認かもしれません。
ただ、私にとって「鮭」が「ニジマス」より優良かどうかは、ちょっとひっかかるところです。

以下、ご参考までに抜粋。

 Q 飲食店のメニューに「サーモントラウト」を「サーモン」と表示しても景品表示法上問題
   ありませんか。
  
 A 問題となります。

  <説明>

 (省略)・・・「サーモントラウト」の標準和名は、「ニジマス」であり、標準和名が「サケ」
  とは異なる魚介類とされています。
  「サーモン」との表示から、一般消費者は、「鮭(サケ)」を使用した料理が提供されると認識
  するものと考えられます。このため、標準和名が「ニジマス」であるにもかかわらず「サーモン」
  と表示することは、実際のものと異なる表示をしていることになります。
  ・・・(省略)・・・景品表示法上問題(優良誤認表示)となります。


(日野 孝次朗)

2014年3月5日水曜日

ひそかな日本酒ブーム

私は日本酒、特に純米吟醸、純米大吟醸が好きで良く購入して家で楽しみます。
日本酒の輸出量もこの10年で2倍になり、海外でもじわりと日本酒ファンが増え始めているようです。

日本国内でも山口県の獺祭(だっさい)はかなり有名になり、なかなか手に入らなくなりつつあります。フランスでの評価も高いようで、高級店にワインと共に置かれています。

日本の酒蔵は1600強あるそうです。結構あるなあという印象がありますが、戦時中の昭和15年頃は7000近くありましたが、年々減少しています。ここ10年では600の蔵がなくなっています。

お酒は嗜好品ですから好みがあると思いますが、自分の好みに合う一本に巡り会ったときの嬉しさはかなりのもので、この旨さを誰かに伝えたいという思いにかき立てられます。

この10年近く、自分の味覚の基準となるお酒は新潟県の「目黒五郎助」(純米大吟醸)です。香り良く、水のようにさらさらでありながら、きっちりとした味。

良い酒はしらふの時に飲めという私の日本酒の師匠から教わり、きちんと守っています。
要は、酔うと何でも良くなるからです(笑)

(小峰 望)