2013年8月1日木曜日

高速ツアーバス廃止

 旅行会社が募集して運行していたいわゆる「高速ツアーバス」が今日で廃止され、
今夜発車するバスから高速の乗り合いバスとなることになりました。きっかけとなっ
たのは、昨年4月に群馬県で発生した関越道高速ツアーバスの居眠り運転によって発
生した衝突事故でした。これまでの制度では、旅行会社が旅客を集めバス会社に運行
を委託する形式となっていて、事故発生時の責任の所在などもあいまいになっていま
した。

 今回の新しい制度に適応するには、運転手の確保やバス停の設置など大きな負担が
発生する一方で、料金の値上げなどだけでは採算が見込めないことから、これまで高
速ツアーバスを運行してきた事業者のうち6割程度は完全に撤退することになりました。

 安心や安全といった国民の要望に関しては、事業者の都合ではなくあくまで国民の
目線にたって制度を構築するという行政の考え方が大きく表面に出ているように思い
ます。特に今回の制度改正は大きな法改正を経ずに、政省令や通達の改正によって行
われました。

 どのような業界であっても、常に国民の目線に注意を払いつつ事業を行うことの重
要性を感じさせずにはいられません。


(今村 正典)