2012年12月24日月曜日

ニッポンのサンタさん

屁理屈をこねているようではありますけども、すでにケーキを買ってプレゼントを
渡した後で言うのもなんですけれども、クリスマスってなんで必要なんでしょうね。
・・・ということを毎年この時期になると考えてしまう私であります。

クリスマスは救世主の生誕を祝う宗教的儀式かと思われます。
キリスト教徒ではない日本人は「メリークリスマス」って言いながら、キリストの
生誕を本気で喜んだりしません(よね)。
むしろ重要なのはサンタクロースです。

クリスマスをサンタクロースの誕生日だと思っている人がいるという話は本当でし
ょうか。
サンタクロースは西暦4世紀頃、現在のトルコあたりにいたニコラウスという司教
だったそうです。
奇蹟やらいろいろ立派な行いがあったので、主にカトリックや正教会系の宗派で聖人
として崇められて来たようです。

聖人のことを「セント」とか「セイント」とか言います。
「セント=ルイス」「セント=ローレンス」など、「セント」が使われる地名はよく
あります。
アニメの「聖闘士星矢」は「せいんとせいや」と読みますね。
「セイント=ニコラウス」の発音がなまって「サンタ=クロース」になったという
わけです。

聖人をあがめたり、樹木に飾りをつけたりして祝うのは、キリスト教とは本来関係
が薄いと言う見方もあるようで、ヨーロッパが多神教だった時代の名残りかもしれ
ません。
古代世界においては一神教より多神教の方が圧倒的に多数派だったのです。

そう言えばサンタクロースのイメージは日本で祭られている七福神の「えびす」と
似ています。
太っていて、いつもニコニコしていて、幸運を運んで来てくれそうなおじさん。

「えびす」は毘沙門天や不動明王を由来とする外来の神であると考えられています。
日本人は古くから外来の神々をたくさん取り入れてあがめてきました。
未来の日本ではサンタクロースが「さんた神社」で祭られているかもしれません。


(日野 孝次朗)