2013年4月3日水曜日

グレーだから面白い

先日、ミャンマーから帰国されたばかりの方とお話する機会がありました。

 日本を始めとする先進国では、政府だけではなく社会全体に「コンプライアンス」
に対する意識が高く、企業側も常にコンプライアンスに注意を払って事業を行って
います。
 
 ところが、ミャンマーだけではなく発展途上国ではまだまだ「コンプライアンス」
という意識が希薄です。ミャンマーから帰国された方も、「世の中全体がグレーなん
ですよ。」と言います。逆に言えば、白黒はっきりしないので進むべき選択肢が複数あ
るということになりますから、事業をするのがとても「面白い」という話にもなるので
す。

 発展途上国では、確かに賄賂をはじめ不明確な行政手続きが行われていたり、有力
者とのコネクションが時に法律以上の力を発揮したりということがあります。

 では、こういった地域ではコンプライアンスを気にかけることなく、現地の慣習に
従って何でもやればいいのでしょうか?

 確かにそういった一面もあるのですが、最近では発展途上国での問題が本国で問題
になるといったことが多くなってきています。たとえば、大手スポーツ用品メーカー
が、下請け企業に発注していたサッカーボールの製造がパキスタンでの児童労働によ
って行われていたことなどが、世界的に大きな問題となり不買運動に発展し企業にダ
メージを与えた例などもあります。

 さらに、発展途上国では朝令暮改があたりまえで昨日までは「OK」だったのに明
日からはダメになったり、懇意にしていた有力者が失脚した途端にこれまで大丈夫だ
った全てのことが通らなくなったりということもあります。

 発展途上国でのビジネス、まるでギャンブルのようですが、リスクを覚悟し自己の
責任をしっかり認識した上で、ビジネス上の判断を行えば、逆にあらゆるものが未整
備なだけに道のないところに道を作るような面白さはあるのかもしれません。

 でも、これは日本でも同じことなのかもしれません。


(今村 正典)