2013年1月16日水曜日

ダイオウイカの奇跡

 日曜日のNHK特集「世界初撮影! 深海の超巨大イカ」の視聴率が16.8%だった
というニュースが大きな話題になっています。同じ時間帯の番組では、TBSドラマの
「とんび」の視聴率が17%ということで、自然科学系のドキュメンタリーとしては
非常に高い数字でした。

ニュースはこちら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130115-00200022-mantan-ent

 私も見ていたのですが、光の届かない深海に浮かび上がるダイオウイカの姿は神秘
的で、SF映画を見ているような気分になりました。以前、友人からダイオウイカの
貴重な標本を見せてもらったことがありますが、どう見てもイカの巨大酢漬けにしか
見えなくてがっかりしたことがありますが、生きている姿はこんなに美しかったのか
と驚きました。

 この番組の裏には、10年間にわたって400時間も潜水調査をするという地味な
活動がありました。

 国立科学博物館の窪寺恒己博士は40年もイカやタコなどの軟体動物の調査をして
こられました。番組でも自分の目で直接見た興奮が伝わってきます。

 毎年、海洋調査実習のお手伝いなどをさせていただいていますが、私のような素人
でも、海を調べていくというのは広い海の中に針を刺すようなものだなあと思うのです。
 どのようなことであっても、成果を得るためには長い時間をかけて一つのことを極
めていくことが本当に大切なことだということを実感しました。

 窪寺博士の前に姿を現したダイオウイカは、頂点を極めた者だけに姿を現す幸運の
女神だったのかもしれません。

 今夜の0時25分から総合テレビで再放送もあるようです。


(今村 正典)