2012年12月26日水曜日

人類滅亡?

 先週の21日で、紀元前3113年にはじまったといわれる古代マヤの暦が終わり、
それとともに世界が終わるという噂が世界中に広がりました。いま、こうしてコラム
を書いているので、もちろんそんなことは無かったのですが、なぜか中米から遠く離
れた中国では、大きな騒ぎとなっていました。

 中国では終末に備えてロウソクを購入する人が殺到したり、終末論に影響された男
が、児童23人に切りつけるという事件が起ったりしています。中国政府は、人類滅
亡などと噂を流したのはキリスト教系の宗教集団「全能神」であるとして全土で10
00人近くの人が拘束されました。

 中国政府ではかなり早くからこの21日を警戒していたようです。年間で10万件
もの暴動が発生するこの国では、ちょっとしたことが大きな反政府運動につながりか
ねないからです。

 中国の国防費が急激に増加しているのは周知の事実で、2012年の国防費は67
00億元(約8兆7000億円)もの金額となります。しかし、それを上回る701
8億元(約9兆1000億円)が公共安全費、つまり治安維持のために使われている
のです。

 中国国内での所得格差が大きく広がっている中で、社会がより不安定化している現
実を垣間見ることができます。習近平氏を中心とする新しい政権が、この社会不安を
取り除いて経済発展を続けることができるのか、日本経済にも大きな影響を与えそう
です。

(今村 正典)