2012年11月16日金曜日

微生物とのつき合い(のぞみ総研メルマガ2012.5.16コラムより)

私は子どもの頃から水槽をいじるのが大好きです。
ペットは主に魚類ですが、エビや貝、ミジンコなども気になります。

いじりだした当初は、水槽が目に見えない微生物に支配されていることに
気がつかなかったので、水が汚れてくるとあわてて「清掃」を行っていました。
水中生物を飼うコツは「そうじ」のコツでもあります。
基本は「余計なことをしない」ということです。

微生物の重要性を知らない人は、水槽の水を入替えたり、水槽を丸ごと
洗剤でゴシゴシ洗ったりしますが、これではいつまでたっても水質が安定
しません。
なぜなら、人間がキレイに殺菌したら、いつまで経っても微生物の役割が
安定しないからです。

水中にはたくさんの種類の微生物がいて、それぞれの役割があります。
水の中のゴミが増えれば、そのゴミを分解する微生物が増加し、それを
エサとする微生物も現われ、そういった活動の過程において水質が変化します。
その間、コケが生えたり、変な色やニオイが出たりもしますが、最終的には
「安定」へ向かってゆきます。

微生物が定着して安定している水は、薄い黄緑色になります。
水道水よりも幾分トロっとしたようなさざなみを立てます。
水槽を新たにつくるときは、そのようなトロっとした水をタネにして
「生きている水」を育ててゆきます。

水が生きている水槽では、エサや死骸も微生物のおかげで一晩で消えてなく
なります。
チーズ、納豆、ナレ寿司など、私が大好きな発酵食品も微生物の作用で作られます。
人間の腸内細菌も不安定になれば病気のもとです。
というわけで、今日もヨーグルトを飲みながら微生物に感謝。。。


(日野 孝次朗)