2011年10月12日水曜日

第四章 社会的責任の原則(その2)

今回は、社会的責任の原則のうち「説明責任」「透明性」「倫理的な行動」について説明します。

4.1 説明責任

組織が行う活動やその意思決定は、なんらかの形で社会や環境に対して影響を与えることが考えられます。そういった影響について組織は説明責任を担うことが求められます。日常の活動や決定であっても説明責任が生じますが、環境に影響を与えるような事故などを起こしたり、社会にも影響を与えるような事態が発生したりした場合も説明責任を負うべきです。

4.2 透明性

組織はその活動や決定が社会及び環境に与える影響について透明性を求められます。そのために、組織はそれぞれの活動を担当する部門などの単位で、その責任や分担、経費の管理などの一定の情報を確実に開示することが必要です。

4.3 倫理的な行動

組織が活動や意思決定を行う場合には、正直・公平・誠実という3つの倫理観に照らして問題がないかどうかを充分に検討したうえで行うことが必要であるとされています。組織が倫理的な行動を促進するために、「統治構造の構築」、「倫理的行動基準の制定」、「利益相反の予防監視メカニズムの導入」、「違反通報制度整備」など、組織の行動の規範となるべき基準を作成することが必要なのです。