2011年9月21日水曜日

釣り考 その3

 前回、ドイツ鯉のことで一寸道草を食ってしまったようなので、これから親父が教えてくれた「置き針釣法」について話そう。
  この釣法は、釣りと言う概念より「漁」と呼んだ方がいいのかもしれない。
  50メートル程の強いタコ糸が道糸となり、ハリスはウナギ針で10本程度使用する道糸の先端に拳大の石を括りつけ、そこから1.5メートルくらいの間隔でウナギ針を10本結わえる、餌は大きめのドバミミズ。
  全ての針にミミズを付け終えると石の括られていない側の糸先を岸辺に生えている木に結わえ付け、先端石を湖に投げ込む。
  投げ込む時期は夕方、そして一晩置いた早朝それを引き上げる。
  ただこれだけのことである。
  引き上げると針の7割くらいに、野鯉やウナギが掛かっているが、ウナギが掛かるのは時々だった。
  ウナギは当然背開きにして蒲焼きで喰う。
  野鯉は鯉コクにしたり、アライにして喰う他、輪切りにして味噌漬けにして保存食とした。
  慢性食料不足の時代、随分助かったと思う。    
    この置き針釣法は、親父の友達が投げる時の不注意で針の一本がその人の足に掛かり大怪我をしたことがあったので、僕はやらせてもらえなかった。

    この置き針釣法には、投げ方に秘訣があるようだった。
    ピッチャーのような投げ方では駄目らしく、上に向かって遠投の要領で投げるようだ。
    水平に投げてしまうと針掛かりを起こすようだ。
    先人は色々工夫をしたのだろう。
    機会があったら津久井湖でやって見ようかな。
      ( 置き針釣法とは、はえなわ漁法なのかな)

   この木の根本にタコ糸の逆先端を結わえ付けて沖合に仕掛けを投げる。
 当時このボートはなかったのでボート の遙か先まで親父は投げたな。
 この木の上に非舗装の県道があり、更 に5メートルくらいの高台に我が家があった。

つづく