2011年8月3日水曜日

テンカラ師がゆく(2)

翌々年の梅雨入り前の夕間詰めに「あいつ」がやって来たが、この時も二年前と同じように魚の掛かった感触もなく毛鉤が消えて行った。










僕は「あいつ」がまだ健在であったことを嬉しく思ったが、以来「あいつ」に会ったことはなく、
大豪雨によって、あの場所が壊滅したことを思うと「あいつ」は岩にでも潰されて死んでしまったのだろうかと思う一方で、
「あいつはどこかで強かに生きている」
と言う気持ちが錯綜しているが、僕的には生きて何処かでこの川を守っていると信じたい。






信じてさえいればきっと又何処かで会えるだろう。
 この滝は一つ上の滝。
 ここでも昔尺に近い岩魚を釣ったことはあるが、ここ数年一匹も掛かっていない。



本日テンカラの天敵である強風のため、ラインを滝壺に中々振り込めないし、やっと振り込んでも風のために毛鉤が空を飛ぶ。

一㌘のラインでは、この強風に抵抗えない。
虹が姿を見せてくれただけで本日は良しとするか。







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