女性(23)を雇用する際に損害賠償の額をあらかじめ決めた契約を結び、それをもとに現金60万円を脅し取ったとして、労働基準法の<賠償予定の禁止>に違反した疑いと恐喝の疑いで風俗店経営者が逮捕されたというニュースです。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090225/crm0902252221038-n1.htm
労働基準法第十六条では
<使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。>
となっており、もしこれに違反すると
<六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。 >
となっています。
この規定、意外と知られていないのですが、<契約をした時点>で違反です。
つまり、従業員との間で損害賠償額をあらかじめ定める契約書や覚書などを書かせたときには、その契約部分は法的に無効となるだけでなく、その契約書や覚書自体が犯罪行為の証拠となってしまい、経営者としてはわざわざ自分の首をしめる結果になりかねません。
従業者側の立場からしてみると、実際の損害額を超えた賠償請求を経営者側から求められた際に、もしその賠償予定を定めた契約書なり覚書を根拠としてだされたときには、それをもって警察署に飛び込めばよいということになります。
この規定を適用した立件は全国初だそうですが、今後は頻発するかもしれません。